□ 門番 □

朝、いつもよりも早く起きると目覚めにコーヒーでも入れようと思って台所に足を運ぶと丁度満ちるが起きてきたらしくあくびをしながら台所に入ってきた。

「ふぁ~…おはようございます…あれ、今日はずいぶんと早いですね~。」
「うん、風紀委員に入ったの。それで朝の見回りだって」
「そうなんですか…あ、ごはん作りますね。軽いものなんですぐにできますから待っててください」

言うと同時に台所に入ると、さっさと冷蔵庫を開けて卵とかベーコンとかを取り出して料理を始めた。それを横目で見るとミルクをたっぷり入れたコーヒーを作ってリビングに向かうと、テレビをつけてソファに座るとさっき入れたコーヒーを一口飲んだ。

さま~ごはんですよ。ここにおいておきますね。」

トレーにトーストとベーコンエッグとポテトサラダを乗せて持ってくると、そのままトレーごとの前にあるテーブルに置いて満は台所へと戻っていった。
目の前に置かれた朝食を食べながらテレビを見ていると携帯が震え始めた。慌てて携帯を取って開けてみると知らない電話番号が表記されてて一瞬迷ったけどすぐに電話に出る。

「やあ、おはよう」
「え、あ、おはようございます。もしかして恭弥さんですか?」
「そうだけど?」
「え、え、でも私番号教えましたっけ?」
「いや、教えてないよ。それよりも10分後にそっちに行くから出る準備して置いてよ」

返事を聞かずに「じゃあね」とだけ言うと電話を切られた。それからたった十分しかないと気がついて慌てて残りの朝食を食べてから制服を着ると髪を整えて満からお弁当を受け取ってから慌ててエレベーターで下に下りるとまだ来ていないらしく少し安心した。その後ぐらいにすぐにバイクの音がしたと思ったらもう目の前に来ててすぐに止まった。

「ちゃんと着てたね、じゃあすぐに行くから乗って」
「え、でもいいんですか?朝からバイクで登校って…」
「ちゃんと風紀委員長の僕が認めてるからいいよ…それよりも早くしないと7時半になるよ」
「ご、ごめんなさい。そうですよね、急がないと時間が間に合いませんよね」

慌てて後ろに乗ると昨日のように腰に手を回して捕まると、すぐにバイクは走り出した。学校に着くと他の風紀委員の人たちは全員集まっていて残りは私と恭弥さんの二人だけだった。私たちの姿を見かけたとたん、風紀委員の人たちは頭をいっせいに下げて大きな声で挨拶をしてきた。その声の大きさにかなり驚いてびくりとなったけど、隣に居た恭弥さんはさも平然と歩いていって「じゃあ、応接室に居るから何かあったら連絡してよ」と一言だけ言うとそのまま応接しつに歩いていった。何をどうしたら良いのか全然わからないからとりあえず恭弥さんの後を付いていくことにした。

「あの、恭弥さん…私って何したらいいんですか?」
「そうだね、とりあえずはお茶でも入れといてよ。その後は正門で風紀チェックでもしておいて。一応、草壁もつけておくけど何かあったら連絡してくれればいいよ」
「わかりました」

昨日のようにお茶を入れて持っていくと、もう恭弥さんは書類を取り出して目を通していた。邪魔にならないようにお茶を隣に置くと「ありがと」とだけ短く言われた。その後はすることがなかったから「先に正門の方に行ってきます」とだけ言って応接室から出て行って校門の方へと歩いていった。



************



「お前がか?」

名前を呼ばれて後ろを向くと風紀の人が居た。似たような風紀の人の中でもとくによく恭弥さんと一緒に居る…あ、そうだ副風紀委員長だったっけ…。
そういえば応接室に居たと時に草壁もつけるとか言ってたことを思い出した。

「そうですけど…もしかして草壁さんですか?」
「そうだ。委員長に頼まれてな」
「そうですか…あ、ありがとうございます。わざわざ来てくれて」
「いや、気にするな。これも仕事だからな。……よし、右側に行くからは左側に立て。そうしたほうが効率がいいだろう」
「はい。仕事がんばりましょうね」

それぞれ左右に分かれて経ちながら仕事をしていたけど…心なしか大半の生徒が私の目の前を通り過ぎている気がする…とくに男子生徒。なんだか私ばっかりが仕事をしている気になったきたころに見覚えのある人たちが見えた。

「沢田くん、獄寺くん。おはよう。あれ、そこの人は…」
「おはよう、さん」
「おぅ」
「よぉ、確かさんだったっけ…俺、山本っていうんだ。昨日まで風をこじらせてちょっと休んじまってたんだ」
「へぇ、君が山本君かぁ…よろしくね」
「こっちこそよろしくな」

挨拶すると同時に笑顔全快で手を差し出さた。なんだかものすごく爽やかなイメージの子だなと思いながら差し出された手を握り返してた。そのすぐ足元にごそごそと動く影に全然気がつかずに。

「ちゃおっす。久しぶりだな、

本当に唐突だった。声がした下の方を見るとものすごく見覚えのある人物がいて、体が完全に固まった。なんでなんでなんで居るの?!そればかりば頭の中を駆け巡ってて、心臓は心臓で大きな音をうるさいくらいに立てている。それでもこのまま何も言わないわけにも行かない。

「なんで…リボーンが、こんな所に居るの?」
「俺はツナの家庭教師をしてるんだ」
「そ、そうなんだ…」
「それよりも驚いたぞ。まさかこんなところでおめぇに会うとはな」
「私も驚いたわよ…」

本当に、心臓が飛び出るかと思ったくらいに驚いた。まさかイタリアに居ると思っていた人物がこんなところに居るなんて夢にも思わないもの。できることなら一生会いたくはなかった。

「おめぇは……もう戻らねぇのか?」

まるでなにかをさぐるようにじっとこっちを見ている。リボーンが言いたい意味はとてもよくわかってる。ボンゴレに帰ってこないのかってことだ。

「戻るつもりなら、逃走なんてしないでしょう?」
「そうか…」

静かに頷くリボーンに少し胸が痛かったけど、それでも戻らないと決めた以上は絶対に戻らないつもり。リボーンとの会話の間に今まで置いてけぼりになっていた沢田くんがリボーンにくってかかるように入ってきた。

「おい、リボーン。戻るとかなんのことだよっ。というかもしかして以前からの知り合いなのか?!」
「そっか、沢田くんは何も知らないんだね……あれ、ふと思ったんだけどなんで家庭教師がリボーンなの?」

今になってリボーンが家庭教師になってるってことに気になって聞いてみたら、答えを聞く前に予鈴が鳴り響いた。さすがに風紀として遅刻させるわけにも行かないから放課後に聞こうと思ってさっさと沢田くんたちを通した。その後は順調に仕事を終わらると、応接室に戻って何もなかったとだけ伝えてさっさと教室に戻って授業を受けた。